今日は澤田ホールディングス(8699)を見てみたいと思います。
2019.5.20時点
株価 945円
PER 5.94倍
PBR 0.69倍
配当利回り 1.27%
4月26日に発表された2019年3月決算は非常に好調でした。
澤田HDはハーン銀行というモンゴル最大規模の商業銀行を傘下に収めています。
今期のモンゴル経済が回復基調だったため、ハーン銀行の利益も20%強の伸びを示したとのこと。
さて、澤田HDの業績に大きな影響を与えるモンゴル経済。
駆け足ではありますが、そこのところを調べてみたいと思います。
そもそもモンゴルってどんな国?
大多数の日本人にとってのモンゴルのイメージとは、
草原
羊
蒼き狼と白き雌鹿
相撲取り
かわいがり
カラオケのリモコン
といった、極めて一面的なもの。
私もまったくそうで、そもそもモンゴルの政治体制すらよくわかっていませんでした。
たしか社会主義国だったよなとおぼろげな知識はあったんですが、実際に調べてみると、1990年に社会主義を放棄したらしく、現在は、大統領制と議院内閣制の併用による共和制だそうです(外務省のHPより)。
主要な産業はもちろん畜産。そして鉱工業です。金、銅、モリブデン、石炭などの豊富な地下資源を持っています。
モンゴルの経済成長
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/c7711f4a70ee239d/20180031.pdf
2018年のGDP成長率は年率6.9%でした。
それ以前にさかのぼって見てみると、2009年。リーマンショック時にGDPがマイナス成長になっています。
世界経済があんな状況でしたし、マイナス成長なのは当たり前。
それは理解できます。
しかし、他の年も見てみると、ちょっと疑問が。
2011年が17.3%とびっくりするような高成長なのに対して、2016年は1.6%です。
いくらなんでも上下に変動が激しすぎじゃないですか?
なぜ、ここまで成長率が極端に振れてしまうのか?
これは政治体制が不安定などの理由もありますが、モンゴル経済が外需に強く依存してしまっていることが原因です。
つまり、輸出している鉱物資源の需要、またその価格推移の影響をもろに受けてしまうってことです。
現状では、資源輸出の好不調がそのまま国内景気に直結する。輸出にとって重要な要素は、相手国におけるニーズの多寡だ。また国際的な資源価格相場の影響を受けるのはもちろん、モンゴルの通貨と外国通貨との為替相場にも損益を左右される。自国ではコントロールしきれない要素に振り回された結果、モンゴルのGDP成長率は2009年は対前年マイナス1.3%、2011年は同17.3%、2015年は同2.5%と、ジェットコースターのような上下動を見せている。
モンゴルの面積は日本の4倍ですが、人口は310万人しかいません。
茨城県の人口が280万。それよりはちょっと多い。その程度です。
内需に期待できるわけもありません。
外需に頼らざるをえない。
結局のところ、モンゴル経済の生殺与奪権を握っているのは、お隣の中国ってことなんでしょう。
中国むけの輸出構成比が93.1%!!!
まあ、ロシアと中国にサンドされているんだから、それも当然か、とは思うものの、やっぱりすごいです。
先の記事にもありましたが、中国がモンゴルの石炭を買ってくれないとモンゴル経済はたちゆかない、ということらしいです。
輸入相手国だと、ロシアが28.8%と2位に飛び出してきます。
ロシア向けの輸出はたったの1.1%なんですけど。調べたところによると、ロシアからはガソリンなどを輸入しているみたいですね。
結論
モンゴル経済は中国への輸出に依存していることがわかりました。
ここ一か月ほど、株価はさえない状況が続いていましたが、これはアメリカと中国の経済戦争を懸念しての動きでしょうか。
『アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪をひく』っていう言葉がありますが、
『中国がくしゃみをすれば、モンゴルはエボラ出血熱にかかる』
ぐらいの感じがあります。
5年チャート見ると、900から1200のボックス相場ですが、
今のところ、1200を突破していくようなエネルギーは感じられないかなあ。
1月~3月のハーン銀行の四半期決算もあまりよい数字じゃなかったですし。
とりあえず、様子見です。
だけど、小さなポジションであれば、今の株価で買っても大けがはしなさそうですけどね。