投資家にとって、外食産業は手を出しやすいジャンルです。
なぜか?
わかりやすいからです。
たとえば
「撮像素子CMOSセンサーを作っている会社(インターアクション)」
と言われても、門外漢にとっては何のこっちゃ?ですが、これが
「かつ丼を500円で提供してる会社(アークランドサービス)」
だったら、誰でも理解できますもんね。
しかも、実際に店にいけば、味やサービスもわかる。
お客さんがどれくらい入っているか、なんかも把握できます。
また、既存店の売上げがそれなりであれば、後は店舗を増やしていくだけで売上げ、利益が伸びていくというわかりやすさもあります。
前述のアークランドサービス(かつや)のようにテンバガー(10倍株)になる成長企業もありますし。
また逆にうまくいっていない場合もわかりやすい。
最近では、いきなりステーキなんかがその典型でしょうか。
もっとも、そうしたわかりやすさのおかげで、外食産業は全般的に割高のような気もします・・・・。
まあ、その点に関しては今回は置いておきます。
さて、外食産業は実際に店に行けるからわかりやすい。
たしかにその通りですし、もしあなたが投資家であって、その店の株を買おうかと思っている場合、必ず一度は店に足を運んでみるものでしょう。
・・・・・ただし店が近くにあれば。
そう。これが外食産業の最大の問題点!(・・・・・だと私が勝手に思っている)です。
いきなり全国展開する店なんてのは普通ないわけです。
そうするとまだ企業規模が小さいとき、つまり、これからの成長余地が大きい時点ではその店が近くにない可能性のほうが高い。
これを実感したのは東京チカラめし(三光マーケティングフーズ)のときでした。
東京チカラめしという店が首都圏で流行っているらしいというのは情報として知っていましたが、地方在住の自分はそれがどんな店なのかわからなかった。
東京チカラめしは店舗数が100を超えるくらいまで急拡大しましたが、それでも自分の県には店がひとつもありませんでした。
もっとも、東京チカラめしは肉を焼くなど、オペレーションに時間がかかることなどが起因して業績は急激に悪化。
【悲報】東京チカラめし、全国にあと8店舗しかなかった / 心配なのでお店で “一番高いメニュー” を頼んでみた結果… | ロケットニュース24
現在では8店舗を残すのみとなりました(記事内ではなぜか7店舗と記載されてる)。
しかし飲食関係は栄枯盛衰が激しいですね。一時期、絶好調だった鳥貴族なんかも「もう新店舗は出さないので成長は望めません」的なIRを出してましたし。
東京チカラめしは自分の目の届かないところで繁栄を極め、そして一度も目にすることなく凋落していきました。
とにもかくにも情報の不均衡が厳然と存在しています。自分がどこに住んでいるかという理由によって。
これは首都圏在住が有利で、地方在住が不利っていう話でもないんですよね。
びっくりドンキーみたいに北海道発祥の店もあるわけですし。
さて、現在、いくつか飲食業界の株で注目しているものがあるんですが、やっぱり店が近くにない場合が多い。
これでは東京チカラめしと同じく情報を得られません。
だけど、ここで気づいたんですね。
ご存じのとおり、youtubeには飲食店の食レポがあふれています。
どこかの誰かがどこかの店でなにかを食べている動画なんて腐るほどあるのです。
これを利用しない手はありません。
そういう動画を見れば、かなり参考になるはずです。
もちろん、味はわかりません。youtuberの味の感想がどれくらい信用できるのかは微妙なところです。
企業案件って言うんですか?
企業から広告費をもらってステマするやつ。
困ったことに、どれが企業案件なのかが、こっちからはわからないですから。
というか、youtubeにあげる以上、仮にマズかったとしてもマズい!とは言えないですね、普通は。
まあ、とはいっても、メニューだったり、料理の見た目だったり、店の雰囲気だったりはつかめるはずです。
ということで、今回はラーメン上場企業をyoutubeで見てみようという企画です。
丸千代山岡家(山岡家)
北海道と北関東地盤のラーメンチェーン。幹線道路沿いに展開。手作りスープ等店舗作業多い
PER 15.9倍 PBR 2.68倍 配当利回り 0.85%
株主優待 ラーメン引換券(450~1,250円)または北海道産米
赤い看板でおなじみ山岡家です。
店舗は北海道がかなり多いです。本社も札幌。
あとは北関東に多いです。
を読むと、山岡家の第一店舗は茨城だそうです。
本社が札幌だから北海道発祥の会社なのかと思いましたが、茨城発祥なんですね。
山岡家って北関東っぽいなあと思っていたので納得です。ロードサイド店が多いのと、デザインという概念をみじんも感じさせない、あの看板が北関東っぽさの主因でしょうか。
山岡家のラーメンは豚骨醤油の家系・・・・・だと思っていたんですが、どうも厳密には家系とは違うみたいです。
家系では鶏ガラや鶏油が入っているのに、山岡家は入っていないとのこと。
山岡家は一度、入ったことがありますが、正直、あまり口にあわなかったです。
記事にもあるように、ちょっと臭いんですよね。
だけど、通ううちにこの臭みが気にならなくなっていくんだそうです。
こってりラーメンとライス。うまそうに食いますね。
ギフト(町田商店)
横浜家系ラーメン『町田商店』や、麺やスープなどの食材を提供するプロデュース事業を展開
PER 45.6倍 PBR 8.14倍 配当利回り 0.54%
株主優待 食事券3枚
山岡家と違い、町田商店はまぎれもなく家系です。
何回か入ったことありますが、おいしいです。豚骨だけど、臭みはほとんどないです。
スープはクリーミー。
家系自体、あまり食べたことがないので、他の店と比べてどうこう言うことはできないんですけど。
ここの株は3400円くらいで指していたんですけど、結局、買えずじまいでした。
上方修正が出るのはわかってたんで、3400円くらいだったら、全然安いと思ってたんですけど。
去年の決算資料には、家系ラーメンは関東の一部にあるだけで全国に未開拓地が残っている、という趣旨の記載があります。
たしかに、近くに家系というと町田商店しかないなあ。
このブルーオーシャンをギフトがまるまる持っていくかもしれないと考えると、わくわくするでしょうね。株主だったら。
ここのチャーシューは脂身でとろっとしててうまいです。
ただ少量ならいいんですが、チャーシューメンなどを頼むと半端なく胃がもたれます(笑)。
家系の町田商店だけでなく、二郎系の「豚山」っていう店もあります。
家系に二郎系と今、人気のあるところをちゃんと抑えてるって感じです。
それから、ラーメン店のプロデュースもやっています。
ラーメン店のプロデュースというのは具体的にどういうことか。
ラーメン店を開きたいという希望を持っている人に、ギフトがいろいろとアドバイスをする。
アドバイス自体は無料だけれども、その代わりに開店後はギフトから麺だったり材料だったりを買ってね、という仕組みらしいです。
去年の決算資料によると、直営店64店舗、プロデュース店が351店舗となっていて、実はプロデュース店のほうが多いです。
力の源HD(一風堂)
博多ラーメン店『一風堂』が柱。フードコート、ラーメンダイニング等の業態も。海外展開強化
PER 24.8倍 PBR 4.01倍 配当利回り1.09%
株主優待 割引券、食事券
とんこつラーメンの一風堂です。
山岡家と違って、おしゃれなイメージですよね。出てくるお茶もルイボスティーだし。
臭みのないクリーミーなとんこつスープが特徴です。
一風堂は海外展開がかなりうまくいっているみたいです。
2019年3月期決算で見ると、国内店舗の売上げが157億円、営業利益が9.1億円に対し、海外店舗の売上げが85億円、営業利益が6億円。
1杯2,000円以上!ニューヨークで大人気のラーメン一風堂に行ってきた感想とメニューを紹介【アメリカ】|世界はいつもトントン拍子
本日はニューヨークの行列のできるラーメン屋の一風堂に行ってきました。1杯2,000円もするラーメンは日本では信じられませんが、アメリカでは大人気です。
ラーメン一杯で2000円とってたら、そりゃ儲かるでしょうね。
海外のほうが利益率がいいのもうなずけます。
いつも白丸しか食べたことないですね。
あとコメント欄にあるように、一風堂って量がかなり少ないです。
スープも昔に比べると減っているような・・・・?
ラーメンのスープは流しに捨てることができず、産廃として引き取ってもらわなければならないらしいので、できるだけ廃棄するスープは少なくしたいんでしょうね。
あと町田商店なんかも、かなりスープの量が少ないです。
王将フードサービス(餃子の王将)
関西地盤に中華料理店『餃子の王将』を展開。直営中心だが、社員のれん分け主体にFCも
PER 27.5倍 PBR 2.75倍 配当利回り 1.74%
株主優待 食事券もしくは生ラーメンパック
イートアンド(大阪王将)
外食チェーンと冷凍食品製造の2軸。いずれも『大阪王将』ブランドが柱。全国3カ所に自社工場
PER 47.5倍 PBR 2.35倍 配当利回り 0.45%
株主優待 冷凍餃子等もしくは食事券
ラーメン屋というよりは中華屋のジャンルですが、一応。
この二つの店名を並べてみたときに誰しもが「過去に何かあったのかな?」とおぼろげに疑問を持つでしょうが、実際にこの両社には過去に因縁があります。
「餃子の王将」vs「大阪王将」、因縁の“のれん分け戦争”がついに関東でも本格化! - ライブドアニュース
「『餃子の王将』を運営する王将フードサービスは、1967年に創業後、京都を拠点として店舗展開していました。そんななか、大阪を拠点として出店したいという親族にのれん分けする形で生まれたのが現在の『大阪王将』。当初は同じ『餃子の王将』を名乗っていたのですが、現『大阪王将』がチェーン展開し京都にまで出店したのをきっかけに、名称をめぐって裁判に。結局『餃子の王将』『大阪王将』と店名を分けることで和解に至りました」
どちらも何回か入ったことがありますが、正直、味のほうはそれほど・・・・。
特に餃子が期待したほどじゃないような・・・。というか、外食で美味しい餃子ってあまり食べた経験がないですね。
自分で餃子を作ってみるとわかりますが、餃子のタネって水分量が多めのほうが、噛んだ時にじゅわっとして美味しいです。
ただ、タネの水分量が多いと作ってから時間を置くと皮がべちゃべちゃになってしまいます。
自作するときは、包んだらすぐ焼いてしまうから問題はありません。
だけど、外食だとある程度、作り置きしなきゃいけない。
そうすると、水分量をあまり多くできない。そこらへんが外食の餃子がいまいちな原因じゃないかなと推察。
王将フードサービス(餃子の王将)は店舗数729店、売上げ816億円、営業利益69億円。
イートアンド(大阪王将)は店舗数482店、売上げ291億円、営業利益8.3億円。
大阪王将は売上げの半分くらいが食品事業(冷凍餃子など)です。餃子の王将は単一セグメント。
外食事業だけで見ると、餃子の王将が売上げ、利益ともに大阪王将に圧勝ですね。
特に利益率がかなり違います。
外食事業だけを比較してみると、餃子の王将の営業利益率が8%超に対し、大阪王将は2%代です。
この一因は両社の直営店の割合かもしれません。
餃子の王将は全店舗729のうち、直営店が516店。
大阪王将は全店舗482のうち、直営店が88店。
それから、気になったのが餃子の王将の決算説明資料。
従業員の心構えを株主に披歴してどうするんだろうと思いました。
こういうセンスは正直、苦手ですね。
後記
ということで、今日はここまでにしておきます。
皆さんご存じのように上場しているラーメン関連企業はまだあるんですが、また別記事にしたいと思います。
あと、この記事を書いていて気になったのが、youtuberのsusuruさんの体は大丈夫なんでしょうか?毎日、ラーメン食べてますけど。