ソライトブログ

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三菱商事の株価下落がとまらない6つの理由①

[2019/08/30作成]

 

三菱商事の株価下落が止まりません。

 

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今の株価水準はこんな感じ。

 

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(・・・・ちょ!信用倍率)

 

この株価水準を見てどう思うかは人それぞれでしょう。

商社株はもともと割安ですし、配当利回りは5%近くとかなり高いですが、オリックス等、大型株にはこれ以上の配当利回りの株がごろごろあります。

 

しかし、私は安いと思っています。

特に配当利回りに関しては、2018年に出された3か年の中期経営計画のなかで、累進配当を宣言しているので、とりあえず2021年までは減配はないと考えています。

 

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このグラフでは2021年度に9000億円の純利益を出し、配当利回り35%の場合、配当は200円前後。

今の株価で計算してみると配当利回り7.8%!!!になります。

まあ、これはちょっとありえないかな。・・・・とみんな思っているから 今の株価なわけです。

 

ただ、今は自社株買いもやっていますし、この配当利回りが3年続くのが確定している(とするのなら)私は十分に安いと思います。

 

しかし、買う人がいれば売る人がいるのが株式市場。

実際に株価は下落しているわけです。

他の商社株も下落しているのが多いんですが、三菱商事の下落幅は明らかに大きい。

 

この株価下落は妥当なものなんでしょうか。それとも過剰反応なんでしょうか。

 

三菱商事くらいの大型株になると、ウォッチしている人も多いんだから、株価も当然それなりの理由があって値付けされているはず。 

私は買い方ですが、ここはあえて売り方の気持ちになって三菱商事の売り材料を思いつくままにあげてみたいと思います。

 

 

①1Qの決算が減益

 

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1q決算発表後に、株価は下落しています。

直近の株価下落はこれが主要因の一つですかね。

ただ、これは前期の1Qが好調だったためでもあります。

そして、減益とはいっても、通期に対する進捗率は27%に達しています。

 

千代田化工問題

もともと資本関係のあった千代田化工は2019年3月期の決算において、2000億円超の赤字を出しました。

千代田化工はLNGプラントなどを手掛ける建設会社です。

LNGとは液化天然ガスのことです。

LNGプラントを請け負うことができる企業は世界に数社しかありません。

 

千代田化工アメリカでLNGプラントを手掛けていました。

しかし、アメリカで熟練工の確保に苦慮し、工期が遅れ多額の追加費用を計上。

巨額の赤字を出し、債務超過に転落。三菱商事が1600億円の融資をすることで経営を立て直しにかかる。といった流れです。

 

三菱商事天然ガスを手掛けているので、そこのシナジーを狙った・・・・というわけではありません。

三菱商事千代田化工だけじゃなく、LNGプラントでは日揮とも取引があるため、別に千代田化工にこだわる必要はないです。

千代田化工は過去に数度の経営不振に陥り、そのたびに三菱商事が助けてきたという経緯がありました。

その結果、筆頭株主となった三菱商事は引くに引けず、今回の支援をせざるをえなかったというのが事の真相です。おそらく。

いわゆる腐れ縁というやつですね。

 

千代田化工は無理な受注をして、巨額の損失を出すということを繰り返してきましたが、今回の件で三菱商事側が主導権を握ることになり、リスク管理は進むものと思われます。

2月に受注したアメリカのLNGプラントでは、建設は外注とし、千代田化工の請け負う業務は設計と調達に業務を限定することにより、リスクを抑えようとしています。

  今まで述べてきたことは短期的な悪材料ですが、ここからは根本的な部分の話になります。

 

 

③資源の市況価格に業績が左右される

 

 

天然ガス、また銅などの金属資源を扱っているため、市況価格に業績が左右されます。

 

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資源の価格変動はとても激しいです。

たとえば、石炭を例にとってみましょう。

 

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2018年に120ドルほどの価格だったオーストラリア石炭が、2019年には70ドルまで落ちています。

たったの1年でここまで価格変動が激しいと当然、企業業績も不安定になります。

 

また、どこで減損処理が発生するかも読めません。

2016年度に三菱商事はチリの銅鉱山で巨額の減損を出し、初めて赤字となりました。

世界各地で資源に投資しているわけで、我々のような個人投資家にそのすべてを把握するのは、ほぼ不可能です。

リスクがどれだけあるのかがわからないというのは、投資をするうえでかなりの障壁となります。

わからないものには投資するな(バフェット)、ってことですね。

 

もっとも資源価格に業績が左右されないで済むように、三菱商事は、というか総合商社のほとんどはここ数年、非資源分野への投資を重視していました。

(ちなみに、石炭に関してですが、三菱商事はオーストラリアの石炭鉱山権益を2019年に売却するので、石炭事業からはすでに手を引いています)

 

 

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これからは黄色の線で囲われた分野に重点的に投資をしていく、ということらしいです。

もっとも、三菱商事にEコマースやインターネットサービスのイメージはまったくないですけど。

・・・・と思っていたんですが、今や建設業界で必須のインターネットサービスとなった建設サイト(通称、グリーンサイト)は三菱商事の開発です。

 意外なところにからんでますね。

 

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これは中期経営計画書のなかのグラフ。

市況系というのが資源関連です。

市況系が3年後もほぼ同水準なのに対し、事業系は相当の伸びを見込んでいるのがわかります。

 

ただ、このグラフには疑問を感じざるをえません。

事業系で3年後に純利益が2500億円ものびることになっていますが、可能ですか、それ。

どこかの企業を買収しないとこんな数字にはならないですよね。

だけど1500億を投じて子会社化したローソンの純利益が200億程度なんですが、どこにそんな優良な投資案件があるんだろう?

疑問です。

 

↓ 続きです。

 

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