株価下落が続いていた三菱商事。
なぜ株価が下がっているんだろうと思い、3週間くらい前に以下の記事を書きました。
三菱商事の株価下落がとまらない6つの理由① - soright?ブログ
三菱商事の株価下落がとまらない6つの理由② - soright?ブログ
この記事を書くのにいろいろ調べて、結局1週間以上はかかりました。
自分の能力が乏しいということもありますが、かなり骨が折れました。
なにせ売り上げが16兆円をこえる巨大企業ということもあって、目隠ししたまま巨象をなぞる感はあります。
あまりにも事業が多岐にわたるため、調べても調べても調べつくせないという。
(しかし、三菱商事の経営者はどの程度まで自社の事業を把握しているんだろう?)
とはいうものの、自分なりに納得のいくレベルまでは三菱商事の悪材料を把握できた(つもり)でした。
しかし、さすがにこれは予想できなかったなあ・・・・。
原油・石油製品トレーディング会社である当社子会社のPetro-Diamond Singapore (Pte) Ltd.(以下、PDS)が行っていた原油デリバティブ取引において、総額約320百万米ドルの損失が発生する見込みです。
他の商社株に比べて三菱商事の株価が冴えなかったのはこれが原因ですか。
さすがに、これは交通事故にあったようなもんですね。どうしようもない。
いくら調べてもこんな情報はどこにも転がっていないですから。インサイダーでもない限り。
とはいうものの、三菱商事の抱えていた悪材料がこれだけであるなら、正直、安心感はあります。
三菱商事の純利益は6000億円規模。そこに340億円くらいの特損が出た程度ならそう大勢に影響はないでしょうし。
いくら調べてもすべて理解できるわけじゃないんだから、調べることは無意味?
三菱商事のことについてはかなり調べたつもりだったのに、こうして見えないところからパンチが飛んできてしまいました。
それじゃ調べても無駄じゃないか。とおっしゃる方がおられるかもしれません。
実際、その会社のことを何も調べずに、株を売買する人は一定数いますもんね。
私の周りにもファンダのことは一切調べず、ただ単にテクニカルのみで株売買をしている人がいます。
ちなみに、その人が知っているテクニカル分析はゴールデンクロスだけです。
効率的市場仮説によれば、株価はすべての情報を織り込んでいるわけで、いくら調べたところで他の投資家を出し抜くことはできないとされています。
だったら、いくら調べたところで無駄じゃないかという意見も一定の妥当性があることになります。
しかし、私はそうは思いません。それは調べるという行為には、他の投資家を出し抜くという意味よりも別の効能があると思うからです。
三菱商事の株価下落がとまらない6つの理由② - soright?ブログ
この記事の最後に、私は伊藤忠と三菱商事を比較して、冗談交じりに「ということで、結論としては三菱商事よりも伊藤忠の株を買え、ですかね」と書きました。
で、記事を書いてから、よくよく考えてみると伊藤忠の株を買うというのは結構いいアイデアだと思ったんですね。
というのもバリュー株(低PBR)である三菱商事と成長株(高ROE)である伊藤忠を組み合わせるのは面白いと思ったのです。
で、記事を書いたすぐあとに、伊藤忠の株も少しだけ買っておきました。
買ったのが9月の頭だったので、短期間で10%くらい上がっています。
持ち続けていればの話ですが。
そう。すぐ売ってしまったんですよね。
というのも買ったあとに伊藤忠のY掲示板を見ていたら、ちょっとした悪材料が指摘されていたのですが、それが妥当なものなのかどうか、判断できなかったからです。
伊藤忠については決算短信、説明資料にざっと目をとおしただけでちゃんと調べていなかった。つまり自信がなかったのです。
これがある程度の時間をかけて調べていれば、握力も高まっていたことでしょう。
イナゴ投資、パクリ投資などでも、ちゃんと自分で調べたほうが絶対にいい結果を生みますよね。
ただ単にイナゴしてるだけだと売り時がまったくわかりません。
ということで、調べるということは他人を出し抜くという意味よりも、自分の覚悟に芯を通すという意味のほうが大きいんじゃないかと思った話でした。