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低PBR銘柄の特徴は?PBR0.3倍以下の世界 

 

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現在、日本では3800社ほどが上場しています。

その3800社のうちには株価が高く評価されがちな業界と逆に低く評価されがちな業界があります。

 

株価が高く評価されがちというと、すぐに思い浮かぶのはバイオベンチャーサブスク、あとはSaaS銘柄あたりでしょうか。

 

サブスク、SaaSはまだ高い株価も理解できる部分はあるんですが、バイオベンチャーなんて、どういう理由で株価がついているのか、門外漢には意味不明です。

売上が2.5億円(しかも赤字)のテラの時価総額が300億円とか、まあ、すごいですね。

 

逆に株価が低いのが常態化している分野もあるわけで、今回はそうした低評価されがちな銘柄を見てみようという企画です。

 

ということで、PBR0.3倍以下の銘柄を昇順で並べてみました。

そして、自分なりの分類で色分けしてます。

 

さて低PBR銘柄にはどんな特徴があるのでしょうか。

 

0.3倍以下の銘柄というと、だいたいの予想がつく方も多いでしょうが、おつきあいください。

 

PBR0.3倍以下の銘柄

 

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 地方銀行(青色

全162銘柄中43銘柄

 

 一番多かったのは地方銀行でした。

まあ、ここらへんは誰でも予想がつくところでしょう。

 

マイナス金利で利ザヤが減少していることに加え、メガバンクと違い、海外業務ができないことから、業績が右肩下がりのところが多いです。

低PBRのトップ10中、地方銀行は7つランクインしてます。

 

そもそもメガバンクで3さえ、PBRが

 

三菱UFJ 0.32倍

みずほ 0.39倍

三井住友 0.36倍

 

なので、その比較でいうと地方銀行のPBRが低いのは納得できるところではあります。

ただ、PBR0.1倍台が妥当な株価なのかどうかについては疑問の残るところではありますが。

 

一方、地方銀行のなかでいちばんPBRが高いのはどこなのかが気になりました。

任天堂、日本電産などの株式を大量に持っている京都銀行かなと思いましたが、結果は0.47倍で紀陽銀行でした(京都銀行は0.36倍)。

 

自動車部品メーカー(オレンジ

全162銘柄中28銘柄

 

業種が輸送用機器の会社だけでなく、アーレスティのようにアルミダイカストを自動車メーカーに納品している会社も自動車部品メーカーに入れました。

アーレスティは他にクリーンルーム用の床材などもやっていて、このように他の事業もやっている会社というのは多いわけで、あまり厳密な分類ではないですが。

 

自動車部品メーカーがなぜ低PBRなのか。

その理由の一つはシクリカル銘柄(景気敏感株)であるからだと思われます。

 

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 たとえば、これはPBR0.16倍のGMBの業績推移です。

1年ごとの業績変動が激しく、方向感がまるでありません。

赤字になっている年もちらほら。

この会社に長期投資したいと思う人は、そりゃ少ないでしょう。

先行きがまったく読めません。

 

そもそも、大手自動車メーカーのPBRが、

 

トヨタ 0.92倍

ホンダ 0.58倍

 

なんだから、部品メーカーが低PBRなのは当然と言えます。

 

最近、トヨタがサプライヤーに値下げするように要求した、というニュースがありましたが、もう一つの理由としてこうした下請けであることの構造的問題があげられるかもしれません。

 

それに加えて、たとえばエンジン部品メーカーなどは、もしも電気自動車の時代になりパラダイムシフトが起こった場合、用済みになってしまうわけで、嫌気されるのもしかたないところではあります。

 

鉄鋼、鉄骨などの重厚長大銘柄(グレー

全162銘柄中15銘柄

 

鉄鋼に関しては、自動車メーカーに納品している会社もあるので、自動車部品メーカーとかぶるところがあります。

 

そして、低PBRである理由も自動車部品メーカーと同じで、一言でいえばシクリカルだから、でしょう。

加えて、中国の鉄鋼過剰生産の問題なども低評価される一因です。

 

このなかで目を引くのはPBR0.2倍の神戸製鋼。

2017年の不正がまだ尾を引いている印象があります。

神戸製鋼はそろそろ日本製鉄かJFEに買収されるんじゃないかと思っているんですけど、どうなんでしょう。

そろそろ、なにかした動きがあってもよさそうだと思ってるんですが。

 

今日(8/6)の神戸製鋼の時価総額は1366億円です。

 

時代遅れのアパレル(

全162銘柄中10銘柄

 

青山商事、コナカなどの紳士服、東京ソワールはフォーマル婦人服など。

 

アパレルはイメージを売るものなのに、そのイメージが古臭かったらそりゃきつい。

低評価されることには納得できますが、ここまで低評価されるのが妥当かどうかはわかりません。

 

このジャンルの特徴としては、業績(売上か利益、もしくはその両方)が右肩下がりであることがあげられます。

 

 

東京ソワールの業績推移

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東邦レマックの業績推移

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 また、もう一つの特徴としては財務内容がいい企業が多いです。

 

自己資本比率を見てみると、全10社中最低だったのは東京貴宝の48.61%。

平均してみると、62%でした。

自己資本比率87%のシャルレ(9885)なんてのもあります。

ちなみにシャルレは時価総額が57億円に対し現金同等物が90億円、有利子負債は0です。

 

アパレル各社の財務内容がなぜいいのかについて考えてみましたが、同じ低PBR銘柄の自動車部品メーカー、鉄鋼などと比較した場合、工場などの設備投資額が少なくすむからではないかと思いますが、ここらへんはちゃんと調べていないのでわかりません。

 

低PBR銘柄を見てみての感想

 

ということで今回は低PBR銘柄を見てみました。

 

普段、スクリーニングをすることがないので、なかなか面白い経験でした。

記事内で触れたシャルレなど、いくつか興味を惹かれるものもありました。

 

さて、今回は低評価されがちが業種を見てみたわけですが、低評価されることが常態化している業種なのに、このPBR0.3倍以下の銘柄のなかに入っていない業種があります。

 

そう、不動産関係です。

 

 不動産といえばシクリカル銘柄の代表格。

営業キャッシュフローがマイナスであることが当たり前であるため、高成長、好業績だと思われていた会社が、景気後退局面になった途端に資金繰りに行き詰まり倒産。

ということが普通に起こるため、高成長の会社でも低評価のまま放置されている印象があります。

しかし、PBR0.3倍以下には不動産銘柄はほとんど出てきません。

 

ということで、不動産銘柄を見てみると、どうも低PERが株価の下値抵抗になっているみたいです。

 

以下は不動産銘柄をPERの低い順に並べてみたもの。

 

コード 銘柄名 PER PBR
       
8891 エムジーホーム 2.13 0.37
3238 セントラル総合開発 2.17 0.32
2986 LA HLDG 2.47 0.75
2985 ファーストステージ 2.52 0.91
3497 リーガル不動産 3.19 0.66
3254 プレサンスコーポレーション 3.54 0.68
8934 サンフロンティア不動産 3.58 0.59
8844 コスモスイニシア 3.6 0.38
8877 エスリード 3.8 0.41
8935 エフ・ジェー・ネクスト 3.86 0.52
3772 ウェルス・マネジメント 3.88 1.09
3452 ビーロット 3.88 1.16
3236 プロパスト 4.03 0.81
8931 和田興産 4.12 0.31
3271 THEグローバル社 4.25 0.28
8890 レーサム 4.28 0.69
8881 日神グループHLDG 4.35 0.29
8903 サンウッド 4.39 0.48
3228 三栄建築設計 4.39 0.64
8928 穴吹興産 4.76 0.58
3277 サンセイランディック 4.87 0.57
3454 ファーストブラザーズ 4.88 0.66

 

 

 

 

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