11/9にミクシィの2021/03期の中間決算が出ましたので、今回はこの決算を見ていきたいと思います。
と、このように見た目は非常によい決算となってます。
決算と同時に、通期の業績予想も上方修正しました。
四季報秋号の2021/03期の業績予想が、
売上10,5000 営業利益14,000 経常利益14,000 純利益8,500
のところ、
売上120,000 営業利益19,000 経常利益19,000 純利益13,000
です。
ここでミクシィの近年の業績を軽く振り返ってみると、モンスト一本足打法のため、モンストの売上低下にともない業績は低迷し続けていました。
前年度の3Qまで業績悪化は続きました。特に3Qは本社移転の一時費用などがあったため、四半期単体では営業赤字になっています。
潮目が変わったかと思われたのが、4Qにおける鬼滅の刃とのコラボ。
これが売上、利益にかなり貢献しました。
そして、続く2021/03期の1Qでもそれなりに好調を維持。
コロナショックによる3月の底値から株価も上昇トレンドを維持してきました。
なので、今回の決算の見た目がよいのは、昨年の決算が悪かったためという側面はありますが、業績の底はとりあえずは脱したのかな、という感じはします。
もちろん、業績がモンスト次第なのはこれからも変わらず、そしてモンストが往時の輝きを取り戻すことはさすがにないでしょうが。
※3Qのモンストですが、決算説明会で社長が「10月の売り上げは7周年記念のイベントを行ったことにより前年同期比でプラス」と発言してました。
上方修正後の1株当たり利益で現在の株価2846円で計算すると、PERは16.4倍になります。
ミクシィがモンスト以降の柱にしようとしているのが、公営ギャンブルなのは、わりかし知られている事実ではないかと思います。
そのなかでも、6月末からローンチされたTIPSTARの売上と利益が気になっていた人多いでしょう。
ここでTIPSTARをご存じない方に簡単に説明しておきます。
TIPSTARはスマホゲーム的インターフェイスの競輪サイト(アプリ)です。
このTIPSTARがユニークなのは、無課金で競輪が遊べるところ。
自分も無課金で遊んでますが、今までに2万円ほど出金してます。
時間対効果で考えると、そんなに効率はよくないですが、スマホゲームをしていておまけにお小遣いをもらってる、くらいの感覚でとらえると、とてもお得感があります。
ミクシィはこのTIPSTARで金をばらまきまくっているわけでして、6月末にローンチしたのでちょうど、この2Q(7月~9月)にその数字が乗ってくるわけです。
これがどの程度の売上とそして赤字を出しているのかは気になるところだったのですが、残念なことにTIPSTAR単体の数字は記載がありませんでした。
以前から運営していたチャリロト(競輪のスポーツくじ)とTIPSTARのGMV(車検販売取扱高)の数字はのっていました。
TIPSTARは全体の6分の1を占めるとのこと。
この図を見るとTIPSTARよりも、チャリロトのGMVが1Qに比べて大幅に伸びているのが気になりますが、TIPSTARとの相乗効果がなんかあったんでしょうか?
TIPSTARをやっていて、チャリロトに誘導された経験は皆無ですが。ここはちょっと不思議。
TIPSTAR、チャリロト事業が含まれているのはスポーツ事業のセグメントになりますので、ここの数字を見てみます。
1Q時の売上が2,384百万円、セグメント損失が△1,020百万円なので、
2Q単体で見ると、売上が2,993百万円、セグメント損失は△1,432百万円となります。
2Q単体ではモンストのセグメント利益が120億円程度。
その利益の10%強がスポーツ事業の損失といった割合。
決算説明会でスポーツ事業を今後の柱にしたいと社長が発言してましたが、それがよく表れているのが従業員の配分。
デジタルエンターテイメント(モンスト)が402人の従業員に対し、スポーツ事業は263人です。
現在、スポーツ事業の売上はモンストの10%ほど。ということを考えると、従業員の配分として、かなりスポーツ事業に力を入れているのがわかります。
このスポーツ事業が今後うまくいくのかは未知数ですが、TIPSTARの試みなどはとても面白いと思っているので、今後も注目してます。
それから、11月16日に新しいスマホゲームが配信されるみたいです。
まあ、こちらは微温的目線で見守りたいと思います。
新しいスマホゲーがうまくいくかどうかはまったくわかりませんので。