今回はコシダカのスピンオフについて自分の勉強もかねて調べてみました。
読んでいただけたら幸いです。
コシダカHDとは
コシダカホールディングスは「カラオケまねきねこ」、女性向けのフィットネスジム「カーブス」、また温浴施設などを運営しています。
カーブスは中高年女性向けのフィットネスジムです。
フィットネスジムというと、
旧来からあるコナミなどの大型ジム
ライザップのようなパーソナルトレーナー付きのジム
エニタイムフィットネスなどの24時間営業のジム
またはガチ勢向けのゴールドジム
などなどがイメージとして浮かぶでしょうが、カーブスが特徴的なのは女性限定であり、また中高年をターゲットにしているところです。
一回30分程度のエクササイズをトレーナー指導のもと行うというシステムで、運動強度としては軽めのようです。
(↑ ずっと通ってるけど、やせないという感想がネット上でちらほら)
カーブスはもともとはアメリカ発祥ですが、2018年にアメリカ本社を逆に買収しています。
カラオケ事業とカーブス事業の売上割合はこんな感じです。
カラオケ事業は成熟産業だから伸びしろはないが、カーブスはこれからも成長を見込めるんだろうと、調べてみるまではそう思っていました。
が、実際にはカラオケ事業のほうは近年、利益改善をしていますが、カーブスのほうは伸び悩んでいるようです。
(もっとも最近、発表された1Qではカラオケは前年比利益減、カーブスは微増)
というのも、カーブスは国内にすでに2000店舗もあります。
会員数も伸び悩んでいます。
最近、メンズカーブスという要するにカーブスの男版を始めました。
今後の成長はメンズカーブス次第といったところでしょうか。
コシダカHDの現在(1/21)の時価総額は1400億円ほど。
主な株価指数は以下のとおりです。
カーブスのスピンオフを発表
2019年の10月にコシダカHDは子会社のカーブスをスピンオフさせることを発表しました。
スピンオフによる会社分離はアメリカでは多数の実例があるそうですが、日本では初となります。
そもそもスピンオフってなに?
2018年にソフトバンクグループ(SBG)は子会社のソフトバンク(携帯事業)のIPOを行いました。
このIPOにより、SBGは2兆円の資金を得ました。
が、SBGの株主からすると、それ以前と比べて何が変わったわけでもありません。
この2兆円の資金はのちに自社株買いという形で株主に還元されることになりましたが、あくまで間接的な影響にとどまります。
一方、今回のコシダカHDのスピンオフはちがいます。
コシダカHDの株主には、3月2日の時点で同じ株数のカーブス株が分配されます。
ここで疑問に思うのは、株価はどうなるの?という点でしょう。
コシダカの株価がそのままで、それに加えてカーブスの株がもらえるのだったら、カーブスの株価分が濡れ手に粟で儲けられますもんね。
もちろん、そんな仕組みになっているわけはありません。
2月27日(木)にカーブスのIPO価格と配当分を引いた価格にカーブスの株価は調整されます。
そして、3月2日(月)にカーブスの株が現物支給されます。
なぜ、スピンオフをするのか?
今回のスピンオフで、コシダカHDとしては、カーブスという利益が出ているセグメントを切り離すことになります。
これまたSBGの場合と比較するとわかりやすいのでしょうが、SBGはソフトバンク(携帯)のIPOによって資金を得ましたが、コシダカHDはなにも得られません。
株価も下がってしまいます。
一見するとなにもメリットがないように見えますね。
コシダカHDの大株主は二代目社長である腰高博氏とその親族になっています。
腰高一族にしてみれば、スピンオフ後もカーブスの大株主であることにかわりはなく、経営を現カーブスの経営陣に任せるだけのこと。
そして、腰高社長はカラオケ事業に経営を専念できるというメリットがあります。
これがもしサラリーマン社長だったら、こうしたスピンオフという決断を下すのはなかなかむずかしいのかもしれません。
分配資産と取得金額
コシダカHDは1月14日に
子会社株式の現物配当(株式分配型スピンオフ)に係る分配資産割合(確定見込値)に関するお知らせ
というIRを発表。
分配資産はカーブスが「0.10」になるそうです。
つまり、コシダカ0.9、カーブス0.1ってわけですね。
そして、これは現株主の取得金額にも影響してくるそうで、
だそうです。
ただ、これはあくまで取得金額であり、実際の株価とは違います。
まだカーブスのIPOの金額は発表されていません。
カーブスのIPO価格はまだ公示されていないものの、売上やセグメント利益などから考えると、コシダカとカーブスの株価は50:50か、それに近いものになると思われます。
ここで疑問に思ったことが一つあります。
もしも1650円でコシダカHDを100株買い、2月末の時点でも同じく1650円の株価だったとしましょう。
カーブス株は825円でIPO、つまりスピンオフ後のコシダカ株は(1650円-825円で)825円(ここでは面倒なので配当分は考慮してません)。
ということは、3月2日にカーブス株の現物が振り込まれたときに、証券会社の表示ではこうなるってことでしょうか。
コシダカHD 株価 800円 評価損益額 -66000円
カーブス 株価 800円 評価損益額 +66000円
たしかに、合計すれば評価損益はプラスマイナスゼロですけど、どちらか一方だけを売却したい人もいるでしょう。
税金などを考えると、ちょっと頭を悩ますところかもしれません。
コシダカHDの株価推移
昨年10月にスピンオフが発表された後、株価は急落しました。
これはIPOによるカーブスの株の売り出し(5%を上限とする)、またカーブスの現経営陣に対する新株予約権(合計10%)が付与されたことによる、希薄化懸念によるものです。
また1月の急落は、1Q決算が期待外れだったことによるものです。
これからカーブスのIPO条件も発表されますし、2月26日(水)が現物配当権利付最終日になるので、これからどういう株価推移になるのか興味深く見守っていこうと思います。
参考リンク
わが国初のスピンオフ~コシダカホールディングスのケース | 株予報コラム
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