澤田HDのTOBがほぼ成立
METAにTOBをかけられていた澤田HD。
澤田HDの経営陣(澤田さん除く)はTOBに対して意見の留保を表明。
その理由としては、傘下のハーン銀行の主要株主の異動にあたってはモンゴル中央銀行の承認をあらかじめ得ていなければならないし、METAにもそれを伝えていたのに強引にTOBをしかけてきたからというもの。
それに対してMETAは「モンゴルの法律の専門家やモンゴル中央銀行に確認とったけど、事前承認は必要ないって話だった。だからTOBした」と説明。
両者の見解は真っ二つにわかれています。
この見解の相違はたとえばTOBを行うことによるシナジーがどうこうとかの「考え方の相違」ではありません。
懐かしのライブドアによるニッポン放送買収のときのような「テレビ局とはどうあるべきか」「インターネットと放送のありかたはどうなるべきか」などの考え方の相違ではまったくない。
ただ単にモンゴルの法律がどうなっているのかという、「事実の認識に対する相違」であるというところがポイント。
澤田HDの大株主であるタワー投資顧問は、この二つの見解のどちらが正しいのかを調べてみたが、「結局わからなかった」と言っています。
ウプシロン投資事業有限責任組合によるTOBについての意見表明|タワー投資顧問株式会社のプレスリリース
モンゴルのような発展途上国には法律が未整備だったり、為替が急変動したりするなどのカントリーリスクがあると言われますが、まさにそのカントリーリスクを目の当たりにしてる感。
タワー投資顧問なんて優秀な人ばっかりだろうに、結局わからないのかよ。
というか、モンゴルの法律があいまいに運用されていて、担当者によって言ってることがまるで違うという可能性もありますね。
とはいうものの、上記のタワー投資顧問の意見表明は「どっちの言い分が正しいのかはわからないけれど、TOB価格の1050円を現在の株価が下回って推移している以上、TOBに応募します」というものでした。
澤田さんの持ち分は29.58%。
タワー投資顧問の持ち分は26.12%。
買付予定の下限額は50.10%
澤田さんはTOBに応募することが決定しているので、TOBはほぼ成立することになります。
TOBの応募期限は3月24日午前9時までです。
澤田HDのTOBが1050円でアナウンスされたとき、みんな「安すぎる」と憤慨していましたが、ここまで全体相場が暴落してしまうと、「1050円で買いとってくださるなんて、ありがてぇこった」という気分になってくる不思議。