ソライトブログ

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ナフコの強気予想は妥当か?

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4/27にナフコの2021年3月期の決算が出ました。

 

ナフコ 2021年3月期決算短信

http://www.nafco.tv/corporate/ir/press/nafcopress_210427_01.pdf

 

来期2022年の業績予想は以下の通りになります。

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前年同期比の数字が記されていないのでわかりづらいですが、この業績予想は前年同期比で

売上高 -3.5%

営業利益 +3.1%

となります。

2021年3月期はご存じのとおり、前半にコロナ特需があったため2022/03期は当然、減収減益予想が出てくるものと思ってました。

売上は微減なものの、増益予想(営利)は意外。

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コロナ特需前の2020/03期の数字と比較すると、かなりの強気予想に見えます。

 

ということで今回はナフコの業績予想が妥当なものなのかについて書いてみます。

 

他のホームセンターの業績予想との比較

まず第一に、売上が前期比-3.5%という予想は妥当なのでしょうか?

2020年のゴールデンウィークなんてホームセンターに大挙として人が押しかけていたのに反動減がありそうですが。

ということで、他のホームセンターの業績予想を見てみます。

売上と営利の前期比比較です。

DCM(3050) 売上-2.8% 営利4.1%

コーナン(7516) 売上0.1% 営利-11.4%

ケーヨー(8168) 売上-6.4% 営利0.2%

コメリ(8218) 売上2.7% 営利-6.8%

アレンザ(3546) 売上-2.2% 営利-39.9%

サンデー(7450) 売上-3.8% 営利-42.6%

 

営業利益に関しては各社それぞれの事情があるでしょうから置いておき、売上を比較してみます。

もっとも、どれだけ出店するかによって売上は変わってくるわけで、そこの事情を加味しないと比較はできません。

とはいうものの、ホームセンター業界は成熟産業であり、このなかで店舗数を大幅に拡大しているのはコーナンだけです。

(2021期にコーナンは453店→479店と5.7%店舗数を増やしている)
たとえばコメリは2021期に11店舗増やしていますが、総店舗数は1208なので、出店自体による売上増は無視していいレベルです。

他ホームセンターと同じく、ナフコの店舗数もほぼ横ばいでしょう。

その前提のうえで予想売上高を比較してみると、ナフコの-3.5%よりも悲観的な数字を出しているのはケーヨーの-6.4%とサンデーの-3.8%。

売上予想だけを比較するとナフコの前期比-3.5%という業績予想はホームセンター業界のなかでは、特に強気でも弱気でもないということがわかります。

 

売上予想をもとに営業利益を計算してみる

さてナフコの出した売上予想が正しいものと仮定し、営業利益を計算してみます。

2021/03期の粗利率が34.4%、そして販管費が62504(百万円)なので、とりあえず、このまま計算します。

 

2022/03期

売上 226400

粗利 77881

販管費 62504

営業利益 15377

 

ということで、2021/03期の粗利率と販管費をそのまま使うと、営業利益は15377となり、業績予想の18791と比較すると3414(34.14億円)足りません。

ということで、販管費と粗利率をいじってみます。

まず販管費は2020/03期に1269削減、2021/03期に882削減してます。

とりあえず、今期は販管費を800削減することにします。

つまり販管費は61704。

業績予想の営業利益は18791なので、営業利益と販管費を足せば、粗利が出ます。

ということで、こうなります。

 

2022/03期

売上 226400

粗利 80495

販管費 61704

営業利益 18791

 

そして、これで計算してみると、粗利率は35.5%

今年の粗利率は34.4%です。

ということで、もしも2022/03期の売上が業績予想通りだとしたら、販管費を800(百万円)削減し、粗利率を1.1%上げれば業績予想通りの営業利益になります。

正直、ここに関しては、それほどむずかしくはなさそうな印象。

PB商品比率を上げることで粗利率を改善できるという予想なんでしょう。

ということで、初見では強気すぎの予想に見えましたが、案外、達成可能なのでは?という印象に変わりました。

もちろん、これは売上が2021/03期と比較して-3.5%で済むという前提をもとにしているので、ここが崩れればどうしようもありませんが。

決算発表の4/27は急騰、翌4/28は急落と株価は乱高下してますが、ゴールデンウィークの客足などを勘案して、今後の株価推移のゆくえが決まっていきそう。

ちなみに、自分は4/27の急騰でジャンピングキャッチしてしまったので、大幅な含み損です。

 

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