今日はジンズホールディングスの2020/08期の2Q決算と同社の現状をゆるく見てみます。
ジンズといえば、SPAによる低価格メガネが売りの会社。
過去10年、高い成長率を維持していました。
しかし、高成長ゆえに株価は高く評価されていて、手が出せない。
こういう機会に安くなったところ(平常時PER20倍程度とか)を拾っておくべき株、と思っていました。
ってことで、さっそく見てみます。
2020/08期中間決算
2月までの中間決算。
消費税増税の影響もあまり感じられず、順調。
ただ、投資家が注視している今後の業績に関してはコロナウィルスの影響がどの程度になるかわからないことから未定。
また配当も未定にすることに。
今回の決算は9月から2月まで。
2月の国内月次売上は既存店が110.1%。
3月に82.6%と急激に悪化しているので、今の段階では何もわからないのは当然だと思う。
ここ10年の成長
ブルーライトをカットするというJINS PCがヒットした2012年近辺の利益は突出しているが、それ以降も着実に成長。
海外事業の利益率が悪い
ジンズは中国を含めた海外に積極的に店舗展開をしている。
ところが、この会社は海外の利益率が案外わるい。
Global|「ジンズ」の海外売上高が100億円超え 中国市場で躍進する「ジンズ」の戦略とは?
このジンズの中国担当者のインタビューを読むと、2015年から3年ほどは毎年30店舗ほどを出店していたが、ジンズを真似たアイウェアブランドが出てきたので、最近は出店ペースを抑えているという。
こうした類似店の存在がこの利益率の低さにつながっているのだろうか?
ただ、以下の四半期ごとのセグメント利益を見ると、海外事業も利益を上げ始めていることがわかるので、それなりに期待してもいいのかも。
国内のライバル
ジンズの成長力の源はおおむね次の二つ。
1 SPAモデルによって、格安のメガネを販売することにより既存のメガネ店(三城、愛眼、メガネスーパー)の売上を奪ってきた
2 ブルーライトカットのJINS PCなど、今までメガネをかけてこなかった人の市場を開拓した
2に関しては、これからも新しい商品を生み出すことができるのかは未知数。
集中力をはかったり、アプリを入れることができるJINS MEMEなどを出していたり、新しい試みはとりあえずしている。
1のSPAに関して。
アイウェアに関しては、ジンズのほかに、zoff、オンデーズといった、ライバルがいる。
「SPA」とは?アパレル業界を変えたSPAの構造を解説します | センケンjob
(SPAってなに?という人はこちらを参照ください)
SPAといったら、当然ユニクロが思い浮かぶ。
国内のファストファッションでユニクロのライバルというと、ぱっと思い浮かぶのはしまむらだけど、しまむらはSPAではない。
しまむらはバイヤーが仕入れてくるので、ユニクロとはビジネスモデルが違う。
国内のSPAのファストファッションという分野では、ユニクロにライバルはいない。
(世界的にはH&M、ザラなどあるけど)
アイウェアの市場規模はファストファッションよりは当然、小さい。
こう考えると、ジンズのライバルって多すぎない?というのが率直な感想。
国内アイウエア小売市場に関する調査を実施(2019年版) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
国内のアイウェア市場は、これからも堅調の見通しではあるんだけど、もちろん、高い成長率を見せるわけではない。
そのなかで似たようなビジネスモデルの会社が3社。
企業規模としてはジンズがいちばん大きいんだけど、そこまで大差があるわけではない。
国内の出店余地
国内の出店余地はどれくらいあるんだろう、と思って調べてみた。
https://store-jp.jins.com/b/jins/
ジンズはイオンなどのショッピングモールに出店していることが多い。
とりあえず、東京はこんな感じ。
いくら東京の人口が多いといっても、ここは出店余地はなさそう。
一方、出店余地がありそうなところでいえば、
北海道10店舗。
山口県3店舗。
新潟3店舗など。
国内店舗はざっと400程度あり、今期(2020/08期)は39店舗増える予定だったので、期初の段階では10%くらい店舗の増加を見込んでいた。
前期は8.6%の店舗増だったので、国内はだいたい10%前後のペースで増える感じか?
現在の株価はまだまだ高すぎ?
ということで、今回はジンズHDを軽く見てみました。
最近の株価推移はこんな感じ。
コロナショックがなかったとしたら、PERは30倍程度。
今の株価が高いか安いかについては人それぞれの判断でしょうが、自分としてはまだ高いんじゃないかなあと判断してます。
もっとも、ユニクロみたいに海外展開がうまくいくのであれば、今の株価でもぜんぜん安いでしょうが。
それからジンズは企業規模が比較的大きく、業績も好調だということもあって新商品の開発という点では他企業より有利かもしれません。
記事内でも少し触れましたが、ジンズmemeという集中力をはかったり、アプリを使えるメガネを数年前に出しています。
ただ、こういう拡張型メガネはどうせアップルあたりには勝てなさそうなので期待薄です。