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フィットネスジム銘柄をみてみよう[カーブス、Fast Fitness Japan]

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「フィットネスジム銘柄をみてみよう」シリーズの最終回になります。

[過去2回の記事]

従来型のジム[コナミ、ルネサンス、セントラルスポーツ、東祥]

パーソナルトレーニングジ ム[ライザップ、24セブン]

 

今回は小規模の店舗面積で成り立つビジネスモデルの2社です。

カーブス(7085)

 中高年の女性向けフィットネスジムを運営。

筋トレと有酸素運動とストレッチを組み合わせた30分の健康体操を行う。

 

【公式】女性だけの30分フィットネス - カーブス

 

www.youtube.com

カーブスとは?

フィットネスジムに通う人の多くが何を目的としているか?

もちろん、それはボディメイク(≒ダイエット)でしょう。

かっこいい身体になりたいという欲求。

人それぞれにスリムからゴリマッチョまで、思い目指すところは違いますが、自分の理想とする身体になりたいという欲求がフィットネスジムの需要の最たるものだと思われます。

 カーブスに通う人の多くももちろんダイエットを目的にしてはいるでしょうが、ダイエット、ボディメイク的欲求はそれほど強くなく、それよりも高齢者の健康維持体操といった趣きが強いように見えます。

 

健康寿命を延ばしたい、いつまでも足腰がしっかりとしていたい。

そうした高齢者の欲求に応えているのがカーブスです。

ここがかなりユニークで、他のフィットネスジムとはバッティングしません。

そして、店舗面積が小さくすむこと、また1店舗につき300人の会員獲得が損益分岐点ということで、小さい商圏で成り立つビジネスのため、日本国内のカーブスの店舗はすでに2000店を超えています。

気づいていないかもしれませんが、皆さんの行動範囲内にもカーブスの一つや二つが必ずあるはずです。

もともとはアメリカ発祥のカーブスですが日本で大きく発展したため、アメリカ本部を逆買収し、結果、世界のカーブスの元締めは日本ということになっています。

 

カーブスのスピンオフの思い出

カーブスは2020年3月2日にカラオケまねきねこのコシダカHDからスピンオフしました。

ちょっと個人的な話をさせてもらうと、このスピンオフは日本初ということもあって注目をあびる可能性もあり、また勉強にもなるんじゃないかということで、自分はコシダカHDの株を100株だけ1月に買っていました。 

 

[参考記事]コシダカHDのスピンオフを勉強してみた - ソライトブログ

 

100株だけとはいえ、この購入が最悪なものとなったのはいうまでもありません。

2020年1月に国内でのコロナ感染者が初めて発覚、その後、2月にかけて感染者が増え続け、2月下旬から3月中盤にかけて株式市場はコロナショックとよばれる大暴落を見せました。

2020年2月27日には安倍首相が全国の小中高校に要請しました。

徐々に感染者が増え続け、新型コロナウィルスという未知なつものへの恐怖感がピークに達したあたりで、コシダカからカーブスがスピンオフしたわけです。

しかも、スピンオフ元はカラオケ、スピンオフしたほうはフィットネスジム(しかも高齢者向け!)という、どちらもコロナウィルスを拡散させる元凶扱いされた業種

スピンオフの翌日にカーブスが臨時休業を発表したときは、この株は呪われてるんじゃないかと本気で思いました。タイミングが悪すぎた。

カーブスの株はその後、すぐに売ってしまったんですが、コシダカのほうは、特段の理由もないんですが、いまだに持ち続けています。

 

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含み損がすさまじいことになってますが、スピンオフ時にカーブスの株価が引かれた為です。

直近の業績

さて、カーブスの最近の業績を四半期ごとに見てみると、こうなります。

 

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2020年の春ごろは休業していたり、またフランチャイズ店へ保障を行っていたりと大幅な営業赤字。

しかし、直近の2021/08期の1Q(9月、10月、11月)はもう少しで黒転するところまで回復しています。

 

また、2020/08期の最終業績は、売上が前年比△10.5%営業利益が前年比△78.5%の11.6億円最終利益は前年比△79.4%の7.6億円となっています。

減益幅は大きいものの、しっかりと黒字をキープしています。

なぜ、このコロナ禍でも黒字決算を出せるのかというと、もともとの利益率が高いからです。

コロナ以前の営業利益率は19.3%

フランチャイズビジネスであることや、小規模店舗で成り立つので、初期投資が少なくすむといったところが、利益率の高さの要因でしょう。

あと、カーブスの評判を見てみると「プロテインの押し売りがわずらわしい」という声をよく聞きますが、その押し売りのプロテイン一袋、一袋が積み重なって、この高い利益率につながっているのかもしれません。

 

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※決算説明資料によるとプロテインを1年で132億円売り上げるらしい。

 

コロナ以前の業績を見てみると、売上の成長は頭打ちです。それもあって、コシダカはカーブスを切り離したという側面もあるんでしょうが。

 

[参考記事]

【2157】コシダカHD/絶妙のタイミングでカーブスと巨額負債の切り離しに大成功。 | なちゅの市川綜合研究所

 

新規事業として高齢男性向けのメンズカーブスという形態の店を出していたりしますが、これが新しい成長軸となることはなさそう。

現在の株価、758円での時価総額は711億円です。

 

[参考記事]

http://www.belletk.com/ka-busu202011.pdf

※カーブスについて詳しく知りたい方はこのレポートが有用です。

 

Fast Fitness Japan(7092)

 24時間年中無休の小規模ジム「エニタイムフィットネス」を運営。2020年12月にマザーズに上場しました。

エニタイムフィットネス 24時間営業のフィットネスジム

 

エニタイムフィットネスとは?

 前回とりあげたライザップ、24セブンはトレーナーとのマンツーマンでのトレーニング、そして、今回のカーブスはトレーナーの指示で30分のトレーニングを行います。

つまり、従来型のスポーツジムと比較して、トレーナーが利用者にコミット(深く関わる)するタイプのジムで、そこが従来型ジムと比較して、利益率が高めに出る要因の一つになっています。

要するにトレーナーがコミットするぶん料金を高めに設定しているわけです。

 

逆にトレーナーが利用者にコミットしない方向性のフィットネスジムもあり、それがアメリカ発祥のエニタイムフィットネスです。

 

店舗は70坪~150坪とかなり小規模。

それゆえにプール、スタジオ、お風呂などはなく(シャワーはあり)、マシントレーニングに特化しています。

契約すると鍵をわたされ、その鍵で全世界のエニタイムを24時間利用可能という仕組み。

日中にいるスタッフは2~3人。夜間は無人になります。

水回りの施設が最小限のため、水回りのメンテナンスの必要がなく、人件費を抑えることができます。

また、これはカーブスにもあてはまることですが、店舗面積がコンパクトで、小商圏で成り立つビジネスです。

店舗面積がコンパクトということは、出店できる場所も多岐にわたります。

駅近の物件だったり、コンビニの二階だったり、また、最近は駐車場を備えたロードサイド型の店舗も増えています。

 

ユーザーの年齢層

従来型の大型ジムの利用層は高齢化しています。

しかも、コロナ禍によって若年層がやめてしまい、割合としてはますます高齢化が進んでいるという皮肉な状況にあるのはセントラルスポーツの資料で見た通りです。

エニタイムの利用層は20~40代の比較的若い層が多く、この年齢層という観点だけから見ると、エニタイムがバッティングするのは大型ジムでもカーブスでもなく、実はライザップです。

 マンツーマンのライザップと、基本的には箱を用意しただけのエニタイムとはコミットメントの度合いが決定的に違ってはいますが。

 

エニタイムの弱み、そして強み

エニタイムは基本的に不動産とマシンをそろえてしまえば成り立つビジネスのため、参入障壁は低く、実際にエニタイムを真似たフィットネスジムは数多くあります。

たとえば、紳士服のアオキは快活clubに併設した24時間営業のジム(エニタイムのパクリ)にかなり力を入れています。

「参考記事」AOKIの運営する24時間ジム、FiT24の体験記 - ソライトブログ

 

同業他社と比べて、エニタイムの強みは何かというと、それは「店舗がたくさんあること」

現在、日本国内に800店舗以上あるのですが、このくらい店舗があると、自分の生活圏内に複数のエニタイムがあったりします。

自分は宮城県在住なんですが、自分の生活圏内にも3店舗ほどのエニタイムがあります。

ジムに行っていちばん嫌なことは、「混んでいて目当てのマシンが使えないこと」だと思うので、複数の選択肢があることはかなりのメリットです。

空いているほうのジムに通えばいいわけですから。

また、出張者には当然、店舗が多いことはメリットになるでしょう。

 

直近の業績

ここからは業績を見ていきます。

2021/03期の1Q(4~6月)は臨時休業を行ったことにより、人件費などの固定費を特別損失に計上したことにより、1.3億円の純損失となりました。

しかし、2Qの段階で純利益は1.8億円と、この段階で黒字復帰しています。

今まで、フィットネスジム関連銘柄を見てきましたが、3月決算の会社で中間決算時点で黒字に戻していたのは東祥以外にはこのFFJだけです。

東祥はもともとの利益率が高い会社でしたが、FFJも2020/03期の営業利益率は24.9%とかなり高い水準となっています。

また、黒字化の理由としては、フランチャイズ店がFFJに払うロイヤリティは定額・固定であり、そして、9月段階でフランチャイズオーナーの事業撤退はゼロであること、すでに述べたように、低コストでの運営が可能であること、などがあげられます。

現在の株価5160円での時価総額は617億円です。

 

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