オーケーエム(6229)
[概要]
滋賀県が本社のバルブメーカー。2020年12月に東証二部に上場。
[直近の業績]
2020/03期は3Qまでで進捗率は88.1%。
本来は5/14に本決算の発表があったはずが、中国子会社での社員による不正取引が発覚したことから、その調査などで決算発表は延期。
[株価指標]
6/4時点
株価 1615円
時価総額 73億円
ROE 10.60%
ROA 5.41%
PER 8倍
PBR 0.96倍
配当利回り 2.48%
自己資本比率 54.8%
[なぜこの会社を見ようと思ったか]
最近の株価は下落トレンドで、この株価下落が単に社員の不正取引によるものなのだとしたら、買い妙味があったりするのかもと思い、ちょっと見てみました。
3Q時点で通期予想の88.1%の進捗率ということで、何もなければ上方修正は濃厚なわけで現在のPER8倍はもっと低いPERになることになり、さすがに割安感はあります。
もっともそれほど成長性があるとも思えないので、低いPERで当然という見方もできます。
[業績]
今期の3Qまでの業績推移はこうなってます。
3Qに売上が少し落ち込んでいるのがちょっと気になります。
四半期ごとに偏重があったりするのかは、上場したばかりなのでよくわかりません。
ところで、3Qの短信では以下の記述があり、
こういう記述があるとなかなか買いには入れないかなあという印象を持ちました。
ところが、6/1に
標準価格改定に関するお知らせ
https://www.okm-net.jp/uploads/files/210601_kakakukaitei02.pdf
という会社発表(IRではない)が出まして、これは要するに製品価格を10%値上げするよ、ということです。
「え?3Q時点で競合他社の存在により値下げ圧力が高まっているって書いてたのに値上げ?」
と激しく疑問に思ったんですが、これ、よく見ると、今回値上げするのはゴムシートバタフライバルブなどです。
一方、3Q時点で値下げ圧力が高まっているとの記述があったのは船舶用バルブ。
この会社の製品情報を見てみると、上のほうにあるのがゴムシートバタフライバルブ、一番下にあるのが船舶用バルブ。
つまり、ある製品を10%値上げし、また別のある製品はこれから値下げ圧力があるかもしれないよ、というただそれだけの話。
となると、製品別の売上構成、また利益構成が気になりますが、これは決算書類に記述がありませんでした(見つけられなかっただけかもしれませんが)。
ただ、船舶バルブのほうが高利益率っぽいですね。
[この株を買うか?]
社員の不正取引で延期されていた決算発表ですが、6/4に新しいIRが出て6月中旬あたりに発表があるそうです。
最初に4/30に社員の不正取引が公表されたときのIRを見ると、
調査委員会設置に関するお知らせ
たかだか2500万円程度ということだったのに、ここまで延び延びになるということはもっと多額の不正取引があったということなのかもしれません。
ただ、これは一過性のものですから、そう不安がることはないのかなとは思います。
やっぱり、来期予想がどういう数字が出てくるのが大方の気になるところ。
現在の株価指標が安いということもあり、もし買うんだったら決算後で十分という印象を受けました。