たしか自分が初めて買った株はソニーでした。1単元だけだったので、一日の値動きは3000円とか、4000円とかそんなものでした。
しかし、その程度の額でも携帯(ガラケー)で値動きを確認するたびに心臓がはりさけそうなくらいドキドキしたのを覚えています。
さすがに今では一日に5000円くらいの値動きで感情的になることはありません。
ただ、それでも株価が上がれば舞い上がってしまうし、株価が下がれば奈落の底に落ちたような恐怖を感じてしまいます。
言うまでもないことですが株価の値動きに感情を揺さぶられるのは問題があります。
感情に支配されてしまうと客観的な判断ができないからです。
株価があがってうれしい、株価が下がってかなしい、ポジティブ、ネガティブ、どちらの感情であっても冷静な判断を妨げるので望ましくない。
値動きの激しい株のほうが刺激的だからということで新興の人気株ばかり触っている人がいますが、ああいうのは投資というより、パチンコとかのギャンブルに近いような気がします。
激しい値動きで脳内麻薬をどぴゅどぴゅ出してるだけですし。
何のために株式投資をやっているのかというと、それは資産を増やすためであって株価の値動きで心臓の鼓動を無駄に増やすためではないはずです。
個人投資家の大方が負けているらしいですが、感情のコントロールができないことがその一因でしょう。
それに対する最適解としては、ドルコスト平均法によるインデックス投資(先進国株)があります。
この手法であれば、感情に左右されることはまったくなく、ただ世界経済が拡張していくことによる恩恵をそのまま受けることができます。
あとはブロガーのバフェット太郎さんの投資法なんかも感情を排するという意味ではとてもいい投資法だと思います。
ただ、あの投資法には明らかな欠陥があるんで、真似する気にはとうていなれませんが。
投資するにあたっては、できるだけ感情を排さなければいけない。
しかし言うは易く行うは難し。
これが難しいのは株をやっている人なら誰でも身に染みてわかっているはずです。
最近、これに対して、あるちょっとしたことを変更しただけで株価の上下に感情を左右されなくなったということを経験したので、この記事で紹介させてください。
ただし、タイトルにあるように楽天証券でしか使えないかもしれません。
そこはご了承ください。
具体的に何をやるか
楽天証券にログインし、保有商品一覧から国内株式をクリックします。
すると、自分の保有株が並んでいます。
こんなふうに。
で、『時価評価額』『評価損益』の欄を見てましょう。
『時価評価額』はその株の時価×保有株数。
『評価損益』はその名のとおり、含み益、含み損です。
その欄の上のほうに円表示をパーセント表示に切り替えるボタンがついてます。
これです。
ここをクリックしましょう。すると、含み損、含み益が円表示からパーセント表示に切り替わります。
はい、パーセント表示に切り替わりました。
私の提唱する
「株価の変動にまどわされなくなるシンプルな方法」
はこれで終了です。
え?これだけ?
はい。これだけです。
あ!物を投げるのはやめてください。インターネット空間では物はこっちに飛んでこないので。
期待して読んだのにがっかりされた方もおられるかもしれませんが、この含み益、含み損をパーセント表示にするのはたしかな効果があります。
実は私は長年、大和証券、丸三証券を使っていて、楽天証券に移ったのは去年のことです。
デフォルトでは円表示になっていたのでそのままにしてたんですが、あるとき切り替えられることに気づき、やってみたところ意外なメリットに気づいたというわけです。
どんなメリットがあるのか、具体的に
そもそもの話ですが、我々が含み益に喜び、含み損に嘆き悲しむのはなぜでしょう?
自分のお金が増えていたり、減っていたりするからです。ま、当たり前の話ですね。
だけど、物の見方によって、その感じ方はだいぶ違うのです。
それを今から説明します。
たとえば60万円の株を買い、それが57万円まで下がったとしましょう。
つまり3万円の含み損です。
楽天証券の円表示のUIだとこう表示されます。
570000 円
-30000 円
これを見て、どう思うでしょうか?
30000円というのはプレイステーション4(500GB)とほぼ同じ金額です。
つまり、あなたはプレステ4×一台分のお金を失っているのだということをいやがおうにも実感せざるをえません。
この株を買っていなかったら、プレステ4が買えたのに。なんで、こんな株を買ってしまったんだとと悔やむかもしれません。
つまり、この含み損は現実と密接につながってしまっているのです。
プレステ4程度の金が減ろうが増えようが気にしないというブルジョワジーもいるでしょう。
(↑ 私は去年、プレステ4を買うときに2か月悩みましたけどね)
が、たとえばこれが、iMAC Proだったり、もしくはマイバッハ1台分とか、はてはタワマン1室分だとかになった場合はどうでしょう?
その具体的なイメージが頭に浮かんでいるのに平静でいられるでしょうか。
さて、それでは次に、パーセント表示にしてみましょう。
570000 円
-5 %
今度はどうでしょう?
投資金額の5%の含み損を抱えていることはわかります。
しかし、その損の具体的なイメージはわかないはずです。
もちろん、計算すればいくら損しているのかはわかりますが、わざわざ計算する人は少ないと思います。
というか、計算する必要はありません。
この
-5%
は現実と切り離されているので、感情をかきみだされる度合いはかなり少なくなるからです。
形而上的な存在になってしまうといえばいいのかもしれません。
お金がなぜ尊いかというと、現実の何かと交換することができるからです。
そして、それゆえに我々はお金が現実と密接に結びついていることに拘泥してしまいます。
お金を単なる数字として扱うことができないのです。
これが投資だったり、ギャンブルで感情を排するのがむずかしい原因です。
しかし、パーセント表示しか見えない設定にしてしまえば、含み益、含み損はお金じゃなくなります。
現実と切り離された単なる数字になってしまうわけです。
楽天証券以外ではできないの?
口座がある 大和証券やマネックス証券で確認してみたんですが、楽天証券のようにパーセンテージ表示オンリーはできませんでした。
証券会社によって違うんですが、評価損益と評価損益率を並べて表示しているか、評価損益だけを表示していることが多いみたいです。
実際の金額が表示されてしまっては、台無しなので大和とマネックスではこの記事で書いたような効果は望めません。
というか、そもそも楽天証券のこのユーザーインターフェイスも上記の効果を目的としているわけではなく、あくまで偶然の産物っぽいです。
というのも、楽天証券の米国株のUIはこうなっていて、
パーセンテージ表示オンリーにできません。
楽天証券内の各資産を見てみると、国内株式と投資信託はパーセンテージ表示オンリーにできるみたいですが、たとえば債券などはできないみたいです。
さて、ここで楽天証券のUI担当者の方にお願いです。
この機能(特に国内株式)を改悪することはなきようにお願いいたします。
くれぐれもお願いいたします。
たとえばログインしたとたんにMIDIのオルゴールの音が流れ出したり、『ようこそ』という文字が右から左に流れたり、またはカーソルがなぜか剣に変わっていたり、そうした改悪はまだ許しますが、このパーセンテージ表示オンリー機能だけは変更しないでください。
お願いします。
さて、楽天証券を利用している方はぜひ、この機能を使ってみてください。
感覚がぜんぜん違うのがわかると思いますので。
それでは。